渋谷文芸食堂の最初の活動は「おとなり本の交流会」でした。
とても多くの本好きの皆様に集まっていただき、この交換会のために本を購入していただく方もいらっしゃいました。

一方で活動を続けるうちにこのような声をいただくこともあります。
・本なんて好きな人が好きなものを勝手に読めば良いのでは?
・わざわざ紹介文を書かなくても、ネットで調べるとたくさん載っていませんか?
確かにごもっともな面もあると思います。ですから、何故私たちは普段の子ども食堂の場でも、テーマを決め、本をたくさん配置し、もし読まなくなった本であれば興味を持ってくださった他の方に持って帰っていただきたいのか?を考えました。

本を読んだ感想は人様々です。また、同じ人でも読む時の気分によって違ったり何度も読むと見方が変わってきたりもします。
世の中には様々な書評やブックレビューがあります。○○歳が読むべき100冊のようなものですね。確かに、そういった模範的な本たちもたくさんあります。でも、それだけでしょうか?
渋谷文芸食堂は多様な本との出会い方や、本を通したコミュニケーションを円滑にするための場でもあります。世の中に出回る、如何にも優等生風できちんとした本のおすすめリストだけでなく、少し変わっていたり、難解だったり、恥ずかしくなるような気持ちになる本たちも大歓迎です。ストレートだけではなく変化本だったり、ど真ん中だけでなくヒヤッとするような内角高めの本や、少し遠めなアウトローの本もあるでしょう。でも相手を傷つけるようなデットボールになりそうな紹介の仕方はご遠慮ください。もし自分が傷つきそう、となったら全力で逃げてください。
本を紹介するのも、実はかなり大変です。自分は面白いと思っても他の方にとってはそうでなかったり。年齢や、体験の有無などによっても左右されるものです。だから、どんな人にどんな本を紹介しようか真剣に考えます。テーマによっては、紹介したい本がすぐには思いつかなかったり、たくさんあり迷うこともあります。実は、その時間も大切にしていただきたいと思っています。どんな本を相手に投げかけるかを考える時間は、自身の読書体験を振り返ったり、時には新しい地平へと開いてくれます。ありがたいことに、以前、「あまり読まないジャンルのテーマだったので新しく読んでみました!」という方もいました。
そんな多様な本の紹介と、その受容が起こり、そのうち紹介された本に対して、感想や感謝、疑問点や考えたことなどを返すことができたのであれば、本を通したコミュニケーションが成り立つと思いませんか?気に入った球に対して、相手に優しく打ち返すのもよし、紹介者が想像だにしないホームランを打つのもまた一興でしょう。勝負ではなく、ホームラン競争のイメージです。

野球に例えたことによって、よりわかりにくかったかもしれませんが、このような思いで様々な本を紹介していただいております。ぜひ以下のフォームにご記入くださいね。

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