単独選決定作品「まけ」
まけ
わすれものをして とりにかえりました
ちこくしてしまいそう
おこられるのが こわくて
なぐられるのが こわくて
もう ぜったいぜつめい
いったい だれに
いったい いつのこと
いつもじゃないか
しっぱいばかり
もっと うまくやれよ
もっと かんがえてやれよ
どなられる
しかられる
どつきまわされる
いつもじゃないか
ここでは なけないから
はしっていって うらやまで
ひたすらに なきじゃくる
きょうみる このうらやまは
30年前と
ちっとも かわらない
かちかたが わからなくても
まけてばかりでも
ないてばかりでも
ここに これたら
それで かちだ
作:待子あかね 氏
受賞コメント
大変驚き嬉しい気持ちで溢れております。誠に有り難うございます。色んな方々が詩と接して親しんでいただけるような一助になれば幸いです。
作品解説
募集テーマから始めは少し複雑な心境となりましたが、幼少期の自分がこっちを見て笑っているような感覚となりました。
プロフィール
大阪府出身。1981年1月生まれ。高校3年の秋、家族の影響で詩を書き始める。
著作の紹介
詩集『スカイツリー』『スカイランド』(白昼社)
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