朝のうた
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太陽は黃ろいマントで包んだ
なまなましい枝の傷痕を
散々なやみ拔いた草々のみだれを
天からの通信のやうに
遠く 遠く 電線がゆれる
はるか熱帶から なだれて來た
颱風よ 豪雨よ
お前は現實の日本を洗ひざらした
風速三十五メートル!
演習し續ける帝國海軍の胴體を衝いた
驅逐艦「夕霧」「初雪」 損傷·六十三名死傷
あちらこちらで、 仲間も斃れた
日立鑛山で崖くづれ 坑夫死骸三十一
農夫は稻にしがみつきながら流された
あの嵐の中をどうして
すつぽり拔けだしてきたのだらう
電線に羽ばたいてゐる雀らよ
チチ チツチ チチ チツチー
身輕に 朝の唄うたふ
はばたく羽根のあひまをくぐり
胸毛の白をそよがせながら
微風は深い深い蒼穹に挨拶してすぎる。
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