無題(『逸見猶吉詩集』収録・同題第4篇)
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夏は爛燦の肉をやぶれど声なく
われは仮相の作者にすぎざるなり
痺れる水もとうめいに炎をひとたび上げたれど
眼に蒼緑のにがき光をうがちなば
あはれ酔ふこともならじ
迅速のつばさはいや涯の杳き渦流に墜ちんとして
肉のうちをつらぬかば擾然たるを
日ごろむなしきことのみを歌ひ
そが夢のおどろしさに狂奔するものの傷ましきかな
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