幸福が遅く来たなら
本文の表示
『幸福』よ、巷で出逢つた見知らぬ人よ、
お前の言葉は私に通じない!
冷たい冷たいこの顔が、私の求めてゐたものだらうか?
お前の顔は不思議な親みのないものに見える、
そんなにお前は廿年、遠国をうろついてたんだ、
お前はもはや私の『望』にさへ忘れてしまはれた!
よしやお前が私の許嫁であつたにしても、
あんまり遅く来た『幸福』を誰が信じるものか!
私は蒼ざめた貧しい少女の手に眠る、
少女よ、どんなにお前は軟かく、枕のやうに
夜毎痛む頭をさゝへてくれるだらう!
少女よ、お前の名前は何と云ふ?
もしか『嘆き』と云やせぬか?
そんなら行つて『幸福』に言つてくれ、
お前さんの来るのがあんまり遅いので
もはや私があの人のお嫁になりましたと!
ログインすると、お気に入り登録や選集への追加ができます。
ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。
幸福が遅く来たならの談話
疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。
まだ投稿はありません。
幸福が遅く来たならに寄せられた作品
詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。
まだ投稿はありません。
批評・感想 0
作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。
まだ批評・講評はありません。
ログインすると批評・講評を書けます。