路傍の石を凝視して
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道ばたにおちてゐるたゞ一つの石ですら、
それを拾うてわれとわが胸におし當てたくなる。
道ばたにおちてゐる石はつめたい 164
うすぐらい風におもてを吹かれてゐたから。
またその石はじめ〓〓と濡れてゐる、
あをざめた星のひかりをあふいでゐたから、
おち葉がくらい地をつとうて來て、
何事かこそ〓〓とさゝやきかける。
或時はまたどこかはるかの遠い〓〓世界から、
見知らぬかげがさしてきてさびしく映る。
路傍の石はたゞひとりさびしがつてゐる、
そして無言をつゞけてゐる。
おゝそれは天上の神が地におきわすれたものかも知れない-
石はぢいつと何事かかんがへてゐる。
そこに大なる神の意思があり、
神の無限のいのちがある。
わたしのまへにその小さき石があるのではない、
わたし自身がその小さき石のまへにあるのだ。
そしてわたしはその一ノヽれの石をすら、
手に乘せて神の世界にさゝげたくなる。
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