早春の森
本文の表示
森よ、
俺は又やつて來たぞ、
眞冬の間は仕事に追はれたり
寒かつたりしたもので
つひ御前の顔を見なかつた。
森よ、
すつかり冬枯れして仕舞つたな、
常盤木の外
葉つぱ一つ木に留めて居ない
その細つこい幹を
すんなりと靑空に伸してゐるな、
いゝ氣持に寐足りで
充分のびをしてゐる樣だ。
常盤木よ、
御機嫌よう、
俺は御前に挨拶をする
御前は相變らずだな、
御前はちつとも弱つて居ないな、
昨年の樣に元氣だ
俺は御前の樣にどつしりと
落付きのある生活がしたい、
御前は樹木の中の哲學者だ、
俺の樣なうき〓〓した感情家には
御前の樣な男が一番恐ろしい。
椿の花
御前は何と云ふ綺麗さだ、
御前は哲學者の内での感情家だ
哲學者の中での藝術家だ。
なつかしい花よ。
土よ
御前は未だこんなに寒いのに
はだかだね 御前は着物を着て居ない
戀人の前の女の樣に、
赤子に對する母親の樣に、
御前は何と云ふ元氣で美しいのだ。
それでこそ御前は母なる大地と呼ばれるのだ。
ログインすると、お気に入り登録や選集への追加ができます。
ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。
早春の森の談話
疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。
まだ投稿はありません。
早春の森に寄せられた作品
詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。
まだ投稿はありません。
批評・感想 0
作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。
まだ批評・講評はありません。
ログインすると批評・講評を書けます。