十月の朝

小徳喜有次

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ひさしぶりに、 は林檎のやう靑やかに霽れて 穹 日光は白く 東天の山嶺から光りを撒く。 家々の障子は開け放たれて ぱちぱちと拂塵の音がきこねる。 俺も破れすすけた障子をあけて 柿の葉をふり落して戯むでゐる 雀どもの唄をきき惚ける。 ああ、 かくも開け放つた心の裡に 泌みてくる幼兒の悲鳴! (にくにくしい貧乏を激憤く、 するどくもいぢらしげなる 悲鳴である) ああ、 この祈りのごとき空よ曇りたまふな 俺はしばし 黑甍の上に體軀を伸ばして 冷ね切つた肌を日光にあたため なまくさい惡夢を、 落葉のやうに棄てしまをう。

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