霙の中

森川義信

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妹よ あの跫音は何であらう 喪はれた美しい日々の歌声ではない 今日も夕暮近い霙の中を通つてよ 怖ろしい鴉の黒い群であらうか 散薬の重いしめりに病み呆けた わたしの胸にやつて来て わたしの肋骨をこつこつとたたく 何であらう 妹よ お前さへ居ない此の部屋を こつこつとたたくのは いつたい何であらう 霙のやうに冷たい死の掌か―― 霙のふる夕暮は 霙のふる夕暮に似て さびしい私の若さ・いのちであるのだ 妹よ

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