芸術

野口米次郎

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藝術だ(さう云はして貰ひませう) 蛛網のやうに、 香の空中に懸つて、 柔かで、 生き生きと音樂にゆれて居る。 (生に浸濕した藝術に何たる悲哀があるでせう!) その音樂は瞬間の烈しさに生き又死し、 暗示を以てその生命として居る。 現實の黄昏に遊ぶ蛾の光で、 瞬間の殘酷な餌食となつて間も無く死ぬであらう。 驚異の創造だ(さう云はして貰ひませう) 衝動の金線の上で踊つて居る。

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