月光

野口米次郎

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言葉なく月が地上の胸に落つる時、 恰も祈禱する如く、 大地は 有らゆる嘆息の最も白き嘆息を呼吸する。 (月と大地は一の祝福に抱かる!) そして私は獨り草の上に起ち、 荒廢の美(字宙最大の美ー)をじろじろと眺め廻す。 ああ、 汝の光明で私を洗ひ又洗へ。 私の身體を燃やして靈の焔たらしめよ! この瞬間に、 私は肉の干渉と 私かに動く豫期せぬ謀反に卒然と打勝つ。 私は啓示、 私は驚異(かう云つても過言であるまい) 空氣と愛をさして鷹の如く飛翔する。

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