無題(『未収録』収録・同題第3篇)
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たゞひとり黎明の森を行く。
風は心虚しく幹のあはひを翔り、
木々はみなその白き葉裏を反す。
樹の間がくれに、足速に
白き馬を牽きゆくは誰ぞ。
道の辺の 歯朶の群をのゝけり。
かゝるとき、湿りたる岩根を踏めば
あゝ、わが出生の記憶甦へる。
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