ああ LOVE よ(八月九日)

福士幸次郎

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ああ Love よ 君よ 君は僕をひきしめる かなり苦しい箍だ 苦しいたがだ 君は今人の所にゐる みもちにまでなつてゐる それでも自分は 君を思ふことはやまない 君は僕が戀してる事は知つてるだらう けれどもこれ位苦しんでゐることは知るまい この心持は解るまい 月日もたつから消えてることと思つてるだらうが 自分の Love はちつとも消えない そして何もない空中をひた走りに走るのだ 意志はそれだけ苦しいのだ そして手をさしのべてゐるのだ さしのべて日中の星を掴まうとしてゐるのだ ああその星はどこに輝いてゐる 見えるは一面に白い空ばかりだ まつぴるまの空だ 君の影はどこにもない このぼんやりしたものの中に 身體を投げ出しながら 自分はどんどん産むだけのものを産んで行く 産んで産んで産み飛ばすのだ 君よ 君は一時人のものになつて居れ 自分は一時その運命を悲しむが すこしもまゐらない 自分は出すだけのものを出して行く内に いつか君をつかまへてやる 自分の所有にしてやる そして君を美しい人間にさしてやる 僕の物になつてこそ君は初めて女として生きられるのだ ただ若くあれ おお君よ 年寄じみてはおしまひだ 若くあれ若くあれ この人生にちよつとでも油斷したら すぐ年をとらされる それだけこの人生には實にいけないものがあるのだ そして人間は弱いのだ 自分はいつでも若い 惡いものに抵抗力が強い どんどん若い力でその惡いものを 元氣のよい命の充ちたものに かへて行く ああ若くあれ 若くあれ

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