忙しい沈默(四月)

福士幸次郎

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混雜した温かい日光 甃石の上に息吹く 花粉のやうな塵埃の中 沈默した通行人は忙がしく そして熱してすれ違ふ 窓から花のかざりがさがり 甃石の上をふむ群集の赤い影 褪色したしかし芳しい午前の香ひが 樺色のケツトのやうな刺激をつゝむ 折々電車の響はおどかして過ぎ去り 温く乾いた灰色の窓々は 音ある方に一心に瞳をあつめる 群集は舞踏でもする樣な足取りで 赤く汗ばんだ顏をして 日向と日陰をみだれ歩く しかし弱々しく晴れて 塵埃の多い空 いろいろな群集の帽子にこみあつて 温い刺激がふくれる

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