蟻地獄
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ありぢごくは蟻をとらへんとて
おとし穴の底にひそみかくれぬ
ありぢごくの貪婪の瞳に
かげろふはちらりちらりと燃えてあさましや。
ほろほろと砂のくづれ落つるひびきに
ありぢごくはおどろきて隱れ家をはしりいづれば
なにかしらねどうす紅く長きものが走りて居たりき。
ありぢごくの黒い手脚に
かんかんと日の照りつける夏の日のまつぴるま
あるかなきかの蟲けらの落す涙は
草の葉のうへに光りて消えゆけり。
あとかたもなく消えゆけり。
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