才川町

萩原朔太郎

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――十二月下旬―― 空に光つた山脈 それに白く雪風 このごろは道も惡く 道も雪解けにぬかつてゐる。 わたしの暗い故郷の都會 ならべる町家の家竝のうへに かの火見櫓をのぞめるごとく はや松飾りせる軒をこえて 才川町こえて赤城をみる。 この北に向へる場末の窓窓 そは黒く煤にとざせよ 日はや霜にくれて 荷車巷路に多く通る。

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