悪霊

逸見猶吉

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荒地をうしろにして少年は裸馬の上にゐた ぎらとした染料を溶いて涯しない酷熱が来ると荒地の喚ばふ その澱みくる酷熱にさきぶれて 渇きは風とともに舞ひあがる むげんの引き波に漂ふものみなのしじま 鞭をならして砂塵に没した慓悍な影を見送れば 裸馬からずり落ちた少年に哄ひはいつそうむごく残され さうしてひとたびは身を起したが 無用の白々しい風に捲かれた

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