哈爾浜

逸見猶吉

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埠頭区ペカルナヤ 門牌不詳のあたり秋色深く 石だたみ荒くれてこぼるゝは何の穂尖ぞ さびたる風雨の柵につらなり 擾々たる世の妄像ら傷つきたれば なにごとの語るすべなし 巨いなる土地に根生えて罪あらばあれ 万筋なほ欲情のはげしさを切に疾むなり 在るべき故は知らず 我は一切の場所を捉ふるのみ かくてまた我が砕く酒杯は砕かれんとするや かかる日を哀憐の額もたげて訴ふる 優しさ著るきいたましき 少女名は 風芝とよべり 死の黄なるむざんの光なみ打ちて 麺麹つくる人の影なけれどもペカルナヤ ひとしきり西寄りの風たち騒ぐなり

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