異性交渉

梶浦正之

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彼は赤い玩具の短銃を磨きながら 時代の嵐の中心に座つてゐると思ふ。 彼女は廣告球の浮遊を仰ぎながら 蹴り上げた彼の心臟と靴の感觸を思ふ。 彼は昇降機の隅で紫色の花簪を掏り ヱレベイタア 斷崖の底で一輪の野菊を手折つたと想ふ。 彼女は霜枯の突堤へ澁柿を微塵にし 巖の上へ彼の心身を抛げつけたと想ふ。 彼の夢想の花は余りにも速く散り 彼女の野性の香は余りにも速く飛ぶ。

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