機縁

蒲原有明

タグを編集・提案

作品の主題・モチーフなど、対象に固有の情報を登録してください。年代・形式・表記・文学運動などの共通分類は登録できません。会員タグの追加と、正式タグの削除は、5人の支持で自動反映されます。

ログインするとタグの追加・削除を提案できます。

その一 大海かたち定めぬ劫初の代に 水泡の嵐たゆたふ千尋の底。 折しも焔はゆるき『時』の鎖、 まひろく永き刻みに囚れつつ、 群鳥翔る翼のその噪ぎと、 その疾さあらめ、宛も眠り転び、 無際の上枝下枝を火の殻負ひ 這ひもてわたる蝸牛の姿しめす。 火と水、相遇はざりし心を、今、 夜とせば、かりそめならぬ朝や日や、 舞ひたつ疾風歓喜空を揺りて、 擁きぬ、触れぬ、燃えなす願ひよ、将た、 霑すおもひよ、ここに力の芽は 男子と燻りて、雙手、見よ、披けり。 その二 水と火、噫相遇へり、青き膏、 浮浪ただよふひまをかぎろひたち、 くちづけ、手握るや、このひと時こそ 生命の精なれ、よろづの調のもと。 歌へり『劫初』、かかれば極のくまも 讃頌こだまにこたへ、化り出でたる 真白き姿―しぶきと消えぬ花や、 奇しきにほひ焔の蘂をまとふ。 現ぜる女よ、胸乳抑ふる手の とこしへ解きもあへざる深きおもひ つゝみて独りながむるけはひ著るし なべての秘事孕むこは母ぞと 知れりや、水泡胡蝶のつばさ浮び、 千条の烟いぶきて薫りみちぬ。 (月刊スケツチ 第十一号 明治三十九年二月)

ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。

批評・感想 0

作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。

まだ批評・講評はありません。

機縁の談話

疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。

まだ投稿はありません。

話題を投稿する

機縁に寄せられた作品

詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。

まだ投稿はありません。

この詩に作品を寄せる