独神

北原白秋

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天地の初発の時、 かぎりなく虚しき時、 独神、成り坐しにけり。  萠え騰る葦牙の  鮮緑の神よ。こをろ。 国稚く、浮脂なす、 海月なす漂へる時、 独神、ひと柱のみ。  萠え騰る葦牙の  鮮緑の神よ。こをろ。 万象無し、光すら、 影すらも、頼む影、 独神、ただ幽かにて。  萠え騰る葦牙の  鮮緑の神よ。こをろ。 窮みなし、常久に、 窮みなし、文もなし、 独神、御身隠します。  萠え騰る葦牙の  鮮緑の神よ。こをろ。 昼もなし、夜もなし、 寒しとも、暑しとも、まだ、 独神、ただ徹ります。  萠え騰る葦牙の  鮮緑の神よ。こをろ。

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