噴水の印象

北原白秋

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噴水のゆるきしたたり。―― 霧しぶく苑の奥、夕日の光、 水盤の黄なるさざめき、 なべて、いま ものあまき嗟嘆の色。 噴水の病めるしたたり。―― いづこにか病児啼き、ゆめはしたたる。 そこここに接吻の音。 空は、はた、 暮れかかる夏のわななき。 噴水の甘きしたたり。―― そがもとに痍つける女神の瞳。 はた、赤き眩暈の中、 冷み入る 銀の節、雲のとどろき。 噴水の暮るるしたたり。―― くわとぞ蒸す日のおびえ、晩夏のさけび、 濡れ黄ばむ憂鬱症のゆめ 青む、あな しとしとと夢はしたたる。 四十一年七月

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