母と子
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母は子に乳房与ふと、
月輪の光を額にかざすなり。
子は母の垂乳ふくむと、
そのかうべ星の息づき保つなり。
ああ、秋よ、飾りなき野辺といふとも、
かかる日の閑けさも世にはあるなり。
日かげには茗荷のしろき花咲きて、
虫の音に湧きいづる幸は満ち、
母のまみ子のまみと会ふ。
ああ、今よ、
母は子に乳をふくますと
子の父のその母のこと思ふらむ。
はたや、子は母にすがると、
その母のをさな姿の早や現れぬ。
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