羽虫

北原白秋

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蜆花、通草咲き満ち、 質素なり、この門の夏、 放射線――醸す虫なり。   6と9と   3と2と8。 微塵数のかがやく翅、 誰か知らむ、口にかゆきを。 童のみ辛く立つなり。   6と9と   3と2と8。 うらがなし、待つも待たずも。 小さき鐘軒につるして、 撞木あり。――かうとうつなり。   6と9と   3と2と8。 洗へ妻、蝦蛄のひと籠、 吹く風は緑に煙り、 「時」はよし、照り移るなり。   6と9と   3と2と8。

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