菊盛り

北原白秋

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少女たち、黄菊には古代のかをりがある。 純粋に日本の寂びと気品がある。 ああ、この静かな菊の香の苑に坐らう。 少女たち、黄菊には九重のみけしきがある。 雲の上の日と月のにほひもする。 わかい帝の御いきづかひが聞える。 少女たち、黄菊には御鏡の明りがある。 森厳な賢所のみけはひも澄む。 皇后宮も白い唐衣でお出ましになる。 少女たち、黄菊には紫宸殿の午後が光る。 高御倉の金の鳳、玉旛の玉や、青地錦、 かうがうしい黄櫨染の御袍も拝される。 少女たち、黄菊には聖駕の軋みもこもる。 儀仗兵の旗槍もちらちらつづく。 ああさうして、日本の民族の新らしい祝福が来る。

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