懶き島

北原白秋

タグを編集・提案

作品の主題・モチーフなど、対象に固有の情報を登録してください。年代・形式・表記・文学運動などの共通分類は登録できません。会員タグの追加と、正式タグの削除は、5人の支持で自動反映されます。

ログインするとタグの追加・削除を提案できます。

明けぬれどものうし。温き土の香を 軟風ゆたにただ懈く揺り吹くなべに、 あかがねの淫の夢ゆのろのろと 寝恍れて醒むるさざめ言、起つもものうし。 眺むれどものうし、のぼる日のかげも、 大海原の空燃えて、今日も緩ゆる 縦にのみ湧くなる雲の火のはしら 重げに色もかはらねば見るもものうし。 行きぬれどものうし、波ののたくりも、 懈たき砂もわが悩ものうければぞ、 信天翁もそろもそろの吐息して 終日うたふ挽歌きくもものうし。 寝そべれどものうし、円に屯して 正覚坊の痴ごこち、日を嗅ぎながら 女らとなすこともなきたはれごと、 かくて抱けど、飽きぬれば吸ふもものうし。 貪れどものうし、椰子の実の酒も、 あか裸なる身の倦るさ、酌めども、あほれ、 懶怠の心の欲のものうげさ。 遠雷のとどろきも昼はものうし。 暮れぬれどものうし、甘き髪の香も、 益なし、あるは木を擦りて火ともすわざも。 空腹の心は暗きあなぐらに 蝮のうねりのにほひなし、入れどものうし。 ああ、なべてものうし、夜はくらやみの 濁れる空に、熟みつはり落つる実のごと 流星血を引き消ゆるなやましさ。 一人ならねど、とろにとろ、寝れどものうし。 四十年十二月

ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。

批評・感想 0

作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。

まだ批評・講評はありません。

懶き島の談話

疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。

まだ投稿はありません。

話題を投稿する

懶き島に寄せられた作品

詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。

まだ投稿はありません。

この詩に作品を寄せる