老鶏
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さわさわと起つ風の
音響けば、
鶏は羽ばたきぬ。はたはた、ああ、はたはた、
白檮の、葉広檮の
かがやく陽を目ざして。
鶏冠や、猛猛し
眼の稜稜、
尾羽、翼、はららぎぬ、はたはた、ああ、はたはた、
岩根の、白羽蟻の
吹雪と舞ふ柱を。
力よ、荒魂
飛び搏くと、
勢ひ蹴るひと空や、はたはた、ああ、はたはた、
光の、陽のしじまの
耿たる幅乱すと。
凄まじ、身は重し、
青の夏を、
朱の古りし鶏よ。はたはた、ああ、はたはた、
すべなし、飛び羽うつと
いくばくも飛ばず落ちぬ。
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