接吻の時

北原白秋

タグを編集・提案

作品の主題・モチーフなど、対象に固有の情報を登録してください。年代・形式・表記・文学運動などの共通分類は登録できません。会員タグの追加と、正式タグの削除は、5人の支持で自動反映されます。

ログインするとタグの追加・削除を提案できます。

薄暮か、 日のあさあけか、 昼か、はた、 ゆめの夜半にか。 そはえもわかね、燃えわたる若き命の眩暈、 赤き震慄の接吻にひたと身顫ふ一刹那。 あな、見よ、青き大月は西よりのぼり、 あなや、また瘧病む終の顫して 東へ落つる日の光、 大ぞらに星はなげかひ、 青く盲ひし水面にほ薬香にほふ。 あはれ、また、わが立つ野辺の草は皆色も干乾び、 折り伏せる人の骸の夜のうめき、 人霊色の 木の列は、あなや、わが挽歌うたふ。 かくて、はや落穂ひろひの農人が寒き瞳よ。 歓楽の穂のひとつだに残さじと、 はた、刈り入るる鎌の刃の痛き光よ。 野のすゑに獣らわらひ、 血に饐えて汽車鳴き過ぐる。 あなあはれ、あなあはれ、 二人がほかの霊のありとあらゆるその呪咀。 朝明か、 死の薄暮か、 昼か、なほ生れもせぬ日か、 はた、いづれともあらばあれ。 われら知る赤き唇。 四十一年六月

ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。

批評・感想 0

作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。

まだ批評・講評はありません。

接吻の時の談話

疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。

まだ投稿はありません。

話題を投稿する

接吻の時に寄せられた作品

詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。

まだ投稿はありません。

この詩に作品を寄せる