湯どころの秋

北原白秋

タグを編集・提案

作品の主題・モチーフなど、対象に固有の情報を登録してください。年代・形式・表記・文学運動などの共通分類は登録できません。会員タグの追加と、正式タグの削除は、5人の支持で自動反映されます。

ログインするとタグの追加・削除を提案できます。

 ねもごろの日のあたりかも。そことなき湯のけぶりかも。日のあたる原のかたへに欅立ち、欅の傍に斑牛ひとり居りけり。安らかに繋がれてけり。山峡の湯どころの秋。出て見れば、下の小橋を杖つきて渡る子もあり。垂稲の黄ばむ田づらはをりふしに雀むれ立ち、道ぞひの茅屋の庭に白菊の盛り見せたる、胡麻と栗並べ干したる暇ある心に見ればなかなかに今日は安けし。向つべに日のかげる山、なほ明く温かき山、その空の白き綿雲、ちろちろと渡る禽さへなかなかにあはれとも見れ。妻と来て、二人来て、七日まり住み馴れてのち、やうやうに紅葉色づく遠近のこの眺めなる。あなあはれ、ねもごろの日のあたりかも。そことなき湯のけぶりかも。日のあたる原のかたへに欅立ち、欅のかげに斑牛ひとり居りけり。繋がれてただねんねんと草食みにけり。

ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。

批評・感想 0

作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。

まだ批評・講評はありません。

湯どころの秋の談話

疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。

まだ投稿はありません。

話題を投稿する

湯どころの秋に寄せられた作品

詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。

まだ投稿はありません。

この詩に作品を寄せる