印度洋
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心地よい朝の日光を沿びて、
Laughter と云ふ遊〓を行つてゆく、
輪を圍んだ子供達が笑つて居る、
空に投げられた手布が地に落ちる迄。
僕は將棋の駒の王樣といふ風に、 い
細長い顏を四角張らせて、 身動きもせず、
この庭の薔薇の葉の間から見透される、
靑い海をば睜めて居る、
其處には確と嬉しそうに泳いで居るに違いない、
竹麥魚や鮋や帶魚や鯛の群。
栂の角ばつた葉が日光に映えて、
僕を全り愉快にならせる、 彼の子供達の笑い聲
僕は默つて其れを聞き分けてゆく、
風を孕んだ帆の滑車の軌りや櫓の音から。
「初雄さん、 遊ばない?」 此時、
芝生づたいに走り寄つて來る、
眞白な眞白な可愛い子。
僕はその手を取りながら、 靜に尋ねる、
「君のお父樣は船乘だつてね?」
「あゝ僕のお父樣は大きな汽船の船長だつたの、
然けれどお父樣が汽船に乘つて、
印度洋を渡つて居られるときにね、
お酒を澤山頂だいて直ぐお風呂には込つて、
腦充血と云ふ病氣に罹つて死んで仕舞つたの。」
子供の眼に這る 靑 筒の大きな汽船たち、
其は靑い空の上に、 大きな雲と成つて懸つて居る。
あゝ、 巨い海洋! 巨い海洋!
然うだ、 僕が一橋を卒業して、
里〓の會社にでも勤務る樣に成つたなら、
僕は印度洋を渡つて行こう、
然して、 汽船が船長の水葬された所を通過るとき、
僕は帽子を脫つて挨拶しよう!
「僕は貴君の可愛いお子樣のお友達で、
姓なら北村、 名ならば初雄と申します。」
薔薇の花の搖れが止まつた。 海は凪いで居る。
子供の眼からは曇りが去つた。 め
僕は自分が話し始めるお伽噺の世界に引込れられて、
靑い潮流や人魚のむれや薄紫の貝殻の中で、
印度洋と子供の顏 とをじつと見較べる。 か み
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