故園

児玉花外

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殘んの光華やかに 紅き夕陽の沈む時、 熱き額を地にたれて はる〓〓洛に入りみれば 古〓の秋は暮るゝかな。 淋しき目にも懷かしゝ 愛宕の山や、 比叡山 狹霧に腰を纏はせて 昔ながらの平和の 姿を天に聳ゆなり。 湧き出る水の〓ければ こゝなる女肌白う みやびの男優しくも 情は薄し、 衣飾り 往き來ふ人の面識らじ。 名所々々は如何ならん、 衢は大厦いや榮え 物質みなこゝに輝けど ああ美と善のうちつれて 去りにし跡ぞ嘆かるゝ。 空も愁に曇るらむ、 疵もつ胸に泌みぬとも 故園の風のうれしさよ、 淚に似たるふるさとの 疲れし胸をいやさまし。 呼、 流落に飽きし身の 嗚 明日は都を立出でゝ また憂きことの堪へがたな、 母の墳墓の側に 永久の膝にぞ倚りて眠らむ。

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