幸福を
本文の表示
おお我胸の苦しさよ
幸福は失われた
おおそうだ、幸福は
輝き渡るかなたの山より
朝日の出づると共に
潮のように寄せて来た
然し幸福は私の手元にいる事を拒んだ、又引潮のように
夕べには次第々々に失われていった
私は考えている
失われた幸福の
私を避けた理由を
私は青ざめている
不幸にみいられて
苦しい事もかなしい事も
みんな私をなやませて
一息の安らかな
呼吸さいあたえられない故に
私は自分自身で
幸福に強い鞭をあたえた
幸福よ、私のために
大きな幸福であってくれと
そして私は旅に出ようと考えた
遠いかなたに、幸福の泉がゆるやかに湧きあがっていると思ったから
けれども私はゆかれなくなった
そこで私のからだは
前へも後へもゆかれず
幸福は失われ
苦しいなやましい胸を抱いて
いるばかり――
ああ私は幸福と闘った
そして敗北してしまった
今はもうあの皇帝の末路の様に
あわれなひとりになってしまった
ログインすると、お気に入り登録や選集への追加ができます。
ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。
幸福をの談話
疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。
まだ投稿はありません。
幸福をに寄せられた作品
詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。
まだ投稿はありません。
批評・感想 0
作品から読み取ったことや、自分の中に生まれた感覚をまとまった文章で残す場所です。
まだ解釈・感想はありません。
ログインすると解釈・感想を書けます。