手
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凉風が釣鐘草を吹き、
櫟の樹々に戯れて、
指の股にも入つてくれば、
想ひ出すのは草ツ原で、
君に、 はじめて囁いて、
顏を覆つてる其の手をば、
引いて握つたら、 避けないで、
握りかへした其の感じ。
彼のレオナルド、 ダヰンチが、
〓いたモナ、 リザの手の甲の
まるみを有つた手の感じ。
あ〓、 今、 其處を過去つて、
乾草多い野の方へ、
去つた男女の握つてる、
手には歡喜が踊らうが
私は、 さびしう唯ひとり、
夕暮の丘を下つてる。
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