電車

宮沢賢治

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トンネルへはひるのでつけた電燈ぢやないのです 車掌がほんのおもしろまぎれにつけたのです こんな豆ばたけの風のなかで  なあに 山火事でござんせう  なあに 山火事でござんせう  あんまり大きござんすから  はてな 向ふの光るあれは雲ですな  木きつてゐますな  いゝえ やつぱり山火事でござんせう おい きさま 日本の萱の野原をゆくビクトルカランザの配下 帽子が風にとられるぞ こんどは青い稗を行く貧弱カランザの末輩 きさまの馬はもう汗でぬれてゐる (一九二二、八、一七)

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