不貪慾戒
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油紙を着てぬれた馬に乗り
つめたい風景のなか 暗い森のかげや
ゆるやかな環状削剥の丘 赤い萱の穂のあひだを
ゆつくりあるくといふこともいゝし
黒い多面角の洋傘をひろげ
砂砂糖を買ひに町へ出ることも
ごく新鮮な企画である
(ちらけろちらけろ 四十雀)
粗剛なオリザサチバといふ植物の人工群落が
タアナアさへもほしがりさうな
上等のさらどの色になつてゐることは
慈雲尊者にしたがへば
不貪慾戒のすがたです
(ちらけろちらけろ 四十雀
そのときの高等遊民は
いましつかりした執政官だ)
ことことと寂しさを噴く暗い山に
防火線のひらめく灰いろなども
慈雲尊者にしたがへば
不貪慾戒のすがたです
(一九二三、八、二八)
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