落葉
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秋はすつかり落葉になつてその鮮やかな反射が林の夕暮を明るく染めてゐる。私は青い流れを隔てて一人の少女が薄の間の細道に折れてゆくのを見る。そこで彼女はぱつちりと黒い蝙蝠傘をひらく。私は流れにそつて行く。私は橋の袂にたつ。橋の名は「こころの橇」。水の面にさまざまの観念が、夕映に化粧する。私は流にそつて行く。私は橋の袂にたつ。橋の名は「鶫」。その影が水の面に顫へてゐる。私は杖に身をもたせる。私は遠くにまた橋を見る。また橋を。その橋の名は?――その橋の名は私がつけよう、「私のものーくる」。
そして日は暮れ易い。もう私の散歩があまりに遠くはないだらうか?
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