十月のノオト

室生犀星

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時計は銀にあらざれば光らず、帆は布をもて金色を胎ましめざるべからず 頭の垂がるやうな詩、深き精神のそこひより掻きのぼれ こひしさにけぶりこもりて畑土に ゆめのやうに雪はきえた わたしは君のてがみを食べてしまつた わたしは胃を悪くした われは海光を浴びたり もう雪が来た、どの山みても燻し銀 沖にむかひ永く佇む 沖より来る響、暗然として湧く力 くもり日の光やすらふほとり朱き葉は走る上野の公園 霊魂は珠根を深く庭園に埋めた、いつかは咲くだらう ああ 総ての人間に涙あれ

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