縁側
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彼はお針をしてゐる妻君に
爪の伸びた手を出して
鋏を借せと云つた
鋏は妻君の膝のあたりにある
若い妻君は
彼の手を眺めるやうに見て
笑ひながら
鋏をとつて渡した
彼は日の當つてゐる緣側に胡座をかいて
パチリ〓〓切り初めた
爪は遠くまで飛んで
皆んな庭の上に落ちる
妻君はそーつと彼の後に來て
顏を覘いてゐた
彼は爪の奇麗になつた手を出して見せた
若い妻君は默つて立つて笑つてゐる
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