秋の感傷
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A
紫色の棺を脊負つたやもめは、 なく〓〓火葬場へいそぐ。
白い花束を棺にかけ、 彼女は哭き暮れて、 重いあしどりでゆく。
暮れやすい、 ちぎれ雲を、 ほつそりとみあげ、 獨り息子を夫のもと
へ旅立たせにゆくのだ。
B
やもめは背の棺の花束に、 とほく忘れた古傷を、
づきん〓〓と痛まして、 去年の木犀の香を嗅ぐ。
あゝ、 水底の砂利のように肌を刹した、 その秋、
病は彼女から夫を、 むりどりして逝つた。
C
やもめは、 ふと我に還つて、 冷々する野路をあるいていつた。
さむ〓〓とこうろぎの啼く音を、 ふみにじつて、 哀愁は、
高峰にひかる、 しばし、 茜を呼んだ-
おまへは、 夫をとり亦息子をとつてゆくのか。
秋よ、 とやもめは胸を濡らし火葬場へいそぐのであつた。
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