掌に生へた草

小熊秀雄

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せんさいな風に生きて ふしぎに頬を打たれることもなく 私の占める座席は 針程のわづかな場所であるのか。 だがなんといふ青草の 精気はつらつとしてゐることか 私は草の食事をしてゐるのを見たことがないのに 私の住ま居の一隅に いつのまにか歩いてきてゐるのだ 胃の腑のないものが どうしてあんなに健康であらう。 私はいま掌の中に 草の生へるのを感じて慄然となる まつたく彼は私の頭の上にでも、 肩の上にでも生へかねないのだ。

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