木の間の空

佐々木指月

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木の間の空のみは いまも忘れず、 雨はそゝぎき 一と冬を、 木を伐るおとは こだまして 森にひゞきき 一と冬を。 か オ ザ ナ ロ 倦めば見る 窓のロオザナ 縫ひかけの 女帽子に さす淡日。 倦めばまた ロ オザナの窓 衿あしに ほんのり浮きし もの思ひ。 -四月二日- 望 絕 灰色の石に 我が道は、絕えたり 露臺に凭れば 指さきに 沁みてくる今日の 風。 樹ぞ落つる 枝そばめ、 あゝ石も、 囁くよ。 さ や 灰色の空 我が道は、 、盡きたり。 -十一月- 雨 ふる秋の 夕べの樹 梢に 殘る少しの 葉、 小鳥は 嘆く その巢より。 水 淺茅のみどりにおどる水 噴泉の音こそ 梢にさやぐなれ。 近寄りて我は水を吸ふ、 愼みて 我れは水を吸ふ。 油 田 うねり木に くろき葉、 は 舟はおそし からまる、きら、 橋ばしらに たれし葉。 野 遠 たゞ一 度 岡越しに見し遠野。 柳の類か枝たれて 一と筋道の うねる、そこここに 立ゐたり。 たゞ一度 岡越しに見し遠野。 林 空 佇みて しばしすごせば 去りがたし 今朝の林 一と葉 おくれて落ち來り むなしくも 日に光る。 よもぎ艸 よもぎ艸 枯れてさみしや、 あさは霧立つ 毎の8 あくたのなかの よもぎ艸、 秋くれば 枯れてさみしや。 角 園 角園のなかの花壇 花壇のなかの十字路、 列樹は、いま、秋の はじめの葉をさゝげ、 露臺の人は沈默の 正午をまもる、 肅かにも我が過ぐれば 見迎ふる人々、 我もまた見返すに 太陽は我等がうへ。 幻きえて 杜きえて 杜の向ふの 丘きえて 殘りし子供の 靴の跡 赤いチムネは 雪がくれ。 -二月六日- フアウンテン 他風の 夜凍みのなかの フアウンテン。 水盤に 水もしづかず 星もこぼれず。 めぐりて立てば 我が心 禱るが如し。 -十二月下旬- タ は ベ 夕べは、 笑ひつつ ほこりかにも 右せし、みち、 けさは、 悶えつゝ へりくだりて 左するなり。 今日よりは 我をも人 をも いつはらじ。

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