佐藤春夫

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白い羽根が一枚散り込んだ それから一聲啼いて聞かせた 私の窓の上に鳩が一羽ゐた。 怪訝な鳩よ いつたいどうしたといふのだ 旅に出てたよりのない女からの その便りならば、……困つた事だ。 せつかくの親切なお前のその話も 女の心と同じく私にはわからない お前の落した羽根には何も書いてない。 鳩よ 曇り日のひとりの鳩よ 見知らない鳩よ 白い鳩よ 女に返事をせよ――私はもの憂いと。

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