門田にいでて
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遠征する人を思ひて娘の
うたへる
門田にいでて
草とりの
身のいとまなき
晝なかば
忘るゝとには
あらねども
まぎるゝすべぞ
多かりき
夕ぐれ梭を
手にとりて
こゝろ靜かに
織るときは
人の得しらぬ
思ひこそ
胸より湧きて
流れけれ
あすはいくさの
門出なり
遠きいくさの
門出なり
せめて別れの
涙をば
名殘にせむと
願ふかな
君を思へば
わづらひも
照る日にとくる
朝の露
君を思へば
かなしみも
緑にそゝぐ
夏の雨
君を思へば
闇の夜も
光をまとふ
星の空
君を思へば
淺茅生の
荒れにし野邊も
花のやど
胸の思ひは
つもれども
吹雪はげしき
こひなれば
君が光に
照らされて
消えばやとこそ
恨むなれ
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