鳥なき里
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鳥なき里の蝙蝠や
宗助鍬をかたにかけ
幸助網を手にもちて
山へ宗助海へ幸助
黄瓜花さき夕影に
蝉鳴くかなた桑の葉の
露にすゞしき山道を
海にうらやむ幸助のゆめ
磯菜遠近砂の上に
舟干すかなた夏潮の
鰺藻に響く海の音を
山にうらやむ宗助のゆめ
かくもかはれば變る世や
幸助鍬をかたにかけ
宗助網を手にもちて
山へ宗助海へ幸助
霞にうつり霜に暮れ
たちまち過ぎぬ春と秋
のぞみは草の花のごと
砂に埋れて見るよしもなし
さながらそれも一時の
胸の青雲いづこぞや
かへりみすれば跡もなき
宗助のゆめ幸助のゆめ
ふたゝび百合はさきかへり
ふたゝび梅は青みけり
深き緑の樹の蔭を
迷うて歸る宗助幸助
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