難波うばら(『白羊宮』収録)

薄田泣菫

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一 いま月しろの上じらみ、 ほのかに動ぐ宵の間を、 人待ちなれし眞籬根に、 難波薔薇ぞ香ににほふ。 二 待つにし來ます君ならば、 千夜をもかくてあらましを、 忘れてのみは、いつの代も めぐり會ふ日はなかるべし。 三 ひとの御胸にはなるとも、 『戀』はひとりぞ羽含まめ。 日のはじめより泣き濡れし 宿世は似たり、花うばら。

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