同棲同類

高村光太郎

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――私は口をむすんで粘土をいぢる。 ――智恵子はトンカラ機を織る。 ――鼠は床にこぼれた南京豆を取りに来る。 ――それを雀が横取りする。 ――カマキリは物干し綱に鎌を研ぐ。 ――蠅とり蜘蛛は三段飛。 ――かけた手拭はひとりでじやれる。 ――郵便物ががちやりと落ちる。 ――時計はひるね。 ――鉄瓶もひるね。 ――芙蓉の葉は舌を垂らす。 ――づしんと小さな地震。 油蝉を伴奏にして この一群の同棲同類の頭の上から 子午線上の大火団がまつさかさまにがつと照らす。 昭和三・八

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