夜の二人

高村光太郎

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私達の最後が餓死であらうといふ予言は、 しとしとと雪の上に降る霙まじりの夜の雨の言つた事です。 智恵子は人並はづれた覚悟のよい女だけれど まだ餓死よりは火あぶりの方をのぞむ中世期の夢を持つてゐます。 私達はすつかり黙つてもう一度雨をきかうと耳をすましました。 少し風が出たと見えて薔薇の枝が窓硝子に爪を立てます。 大正一五・三

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