竹の葉の鳴る

竹村俊郎

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ちくちくとしびれるやうに目ざめた 冬の朝 產卵期の雀のやうに慄えるこころが おも苦しい空を 見つめる さらさらと 風が竹の葉を鳴らしてゐる とりみだした寢床の中で 病みついた雛のやうにいぢ ける私 私は冬の野にうらうら生える 草のやうにさみしい 臨終の蝶のやうに目をしばたいて敷布をつかむと 敷布の上にも 風はまつしぐらにさかまく ここにもまた さらさらと 風が竹の葉を鳴らしてゐる ちよろ ちよろと小川は流れる 芝の新芽や すすきの枯葉を渡り ちよろ ちよろと小川は流れる 雪溶けの水は ちよろ ちよろと流れてゐる あさ陽は きらきらかがやきいだした 蛙はかすかに ぴくびくしだした るり色のまんまるい蛙の巢 蛙の巢はほんのりとふくらんで 蛙は ちらちら舌をいだす 流れのほとり いちめんの蛙の巢 るり色の蛙の巢に 舌が生えだした 雪溶けの水は蛙の舌を流れゆく 蛙の舌で 水はちよろ ちよろ唄ひだし あさ陽は きらきらかがやきいだした

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