踏繪
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眞鍮の角なる版に
ビルゼンの像あり、
諸の御弟子之を環る。
母にてをとめ、
わが兒のむすめ、
歸命頂禮、サンタ・マリヤ。
これもまた眞鍮の版、
萬民にかはりて、
髑髏の阜にクルスを
負ふ猶太の君
那撒禮のイエスス
キリストス、神の御子。
不思議なる御名にこそあれ、
イエスス・キリストス、
かみのみこ、よの人のすくひ、
げにいきがみよ。
始なり、終なり。
繪踏せよ、轉べ、轉べと
糺問ぞ切なる。
いでや、この今日の試に
克ちおほせなば、
パライソに行き、
挫けたらむには、インヘルノ。
伴天連の師の宣はく
マルチルの功は
大惡の七つのモルタル
科を贖ふ。
ブルガトリオを
まつしぐら、ゆけ、パライソへ。
大日本、朝日の國の
信者たち、努めよ、
名にし負ふアンチクリストの
力を挫く
義軍の先驅、
上れ、主の如く磔刑に。
この標、世に克つ標、
あらかたの標ぞ。
ありし、ある、あらむ世をかけて、
絶えず消えせぬ
命の光、
高くに仰げ、サンタ・クルスを。
見よ、かゝる殉教の士を。
天草は農人、
五島には鯨とる子も
ガリレヤ海の
海人の習と
悲節を守りつぐ。
代代に聞く名こそ異なれ。
神はなほこの世を
知ろす、たゞひとり、おぼつかな、
今の求道者、
「識らざる神」の
證にと死する勇ありや。
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