きゃべつ
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売るほどつくっては
いないんだと言いながらも
すぐそこの裏の畑から
ひとつふたつはもぎって来るのだ
おいくらでしょうかと財布を取り出すと
かぶりを横に振って
銭など要らないお持ちなさいと言うのだ
でもおいくらなんでしょうかと言うと
知らない人でもないのだから
高い銭など気の毒なんで
もらえるもんじゃないやと来るのだ
でもとにかくおいくらなんだか
もらいに来たのではないのだからと言うと
純綿の手拭でも一本
ほしいのだがと出たのだ
それでもきゃべつは黙っていた
売ろうと売れまいと買おうと買えまいと
黙っておればいいのだ
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